中期5ヵ年経営計画Investors

2025年3月期~2029年3月期

創業から74年での「Re-start」への決意
「ゴールドウイン」ブランドを軸に
「実需型ビジネスモデル」 を世界市場へ展開

代表取締役社長 渡辺 貴生

当社は、新型コロナウイルス感染症の収束とインバウンド需要の急増を踏まえ、中期5ヵ年経営計画を新たに策定しました。前中期5ヵ年経営計画にて掲げた長期ビジョン「PLAY EARTH 2030」の基本方針を継続し、事業におけるサステナビリティとして、「ゴールドウイン(Goldwin)」ブランドのグローバル展開と「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」の成長戦略を中心に掲げました。「ゴールドウイン」ブランドは、各出店地域の特性や需要に合わせた店舗を展開し、10年後に売上高500億円に伸長させ、「ザ・ノース・フェイス」は、サプライチェーンの強みを活かしながら、新たな市場を開拓していく方針です。環境におけるサステナビリティとしては、環境配慮素材へのシフトを当社すべてのブランドに浸透し、生物多様性の保全と回復の目標を新たに設定しました。

新中期5ヵ年経営計画の最終年度の2029年3月期には、売上高は年平均成長率8%の1,885億円、営業利益は360億円、経営利益は460億円を目指します。


前中期5ヵ年経営計画
(2022年3月期~)の基本方針

PLAY EARTH 2030の説明図

新中期5ヵ年経営計画
(2025年3月期~2029年3月期)

バリュー・チェーンの領域拡張に伴う新しいビジネスモデルの創造

バリュー・チェーンの説明図

数値目標

売上高CAGR 8% (2024年3月期からの6期間) 事業規模の拡大を目指す

(単位:百万円) 2024年3月期
実績
2029年3月期
見通し
売上高 126,907 188,500
営業利益
(構成比)
23,847
(18.8%)
36,000
(19.1%)
経常利益
(構成比)
32,601
(25.7%)
46,000
(24.4%)
親会社株主に帰属する当期純利益
(構成比)
24,281
(19.1%)
売上高、営業利益率の推移

「ザ・ノース・フェイス」の市場拡張

CAGR5%の安定成長をベースとし、新たな市場を獲得

取締役専務執行役員 森 光

2024年3月期までの10年間で「ザ・ノース・フェイス」の売上高は約5倍に成長し、売上高は975億円を達成しました。企画力、生産基盤、直営店や取引先との密な連携、リペア対応など当社のサプライチェーン全体によってブランド価値が築かれています。ブランドの基本的な戦略は“CORE&MORE”です。“CORE”マーケットでは、アウトドアで必要とされる機能や素材開発により革新的な製品を提供し、“MORE”マーケットでは、“CORE”で培った機能を日常着へ提案し、より幅広いシーンで使用ができています。今後も強みを活かし、引き続き新たな市場を開拓していく方針です。
「ザ・ノース・フェイス」は5期間で約300億円の成長を見込み、2029年3月期の売上高は1,280億円を目指します。


“CORE&MORE”戦略

“アウトドアと日常のシームレス化” によって事業領域を拡張

CORE&MORE戦略の説明図

「ザ・ノース・フェイス」の成長余地

ザ・ノース・フェイスの強み

「ザ・ノース・フェイス」売上高300億円+αのプラン

ザ・ノース・フェイスの成長Point

パフォーマンス分野でのさらなる技術進化

今までのCORE&MORE戦略のさらなる推進
VF Corporationと連動したSUMMIT SERIESの開発強化

シューズの開発強化と新しいマーケットの創造

トレイルランニングシューズの開発投資
アパレル・ギアと連動したライフスタイルマーケットの創造

α世代への訴求とキッズマーケット強化

韓国YOUNGONE OUTDOOR Corporationでα世代向けアプローチとの連動
グリーンバトンの推進によるキッズ強化

ライフスタイルでのCORE製品販売

パフォーマンスで培った先進的テクノロジーを搭載した
製品開発(Lab)


「ザ・ノース・フェイス」の成長の伸び代

ザ・ノース・フェイスの売上高推移

直近10年間約5倍に成長

「Goldwin500」プロジェクト

オリジナルブランドを自らの力によって、東アジアを中心に海外市場への展開を進める

執行役員ゴールドウイン事業本部長 川田 慎二

「ゴールドウイン」ブランドは、スキーやアウトドア、アスレチックのパフォーマンスカテゴリーにおいて独自のデザインを提案し、「Goldwin 0」の発表を基点に、市場規模の大きいライフスタイル領域へ拡張でき、グローバルでの注目をいただいています。中国北京店舗の成功事例を踏まえ、中国大陸の現地パートナーのリテール開発力や交渉力を活かし、1級都市のプライムロケーションを中心に年間4店舗のペースで出店を進める方針です。また、海外の展示会やソーシャルメディアを通じた情報発信により、海外のファンからも高い関心を得ています。国内のインバウンド需要も海外展開を進めるうえでよい兆しと捉え、グローバル展開の強化を進めてまいります。
「ゴールドウイン」ブランドは5期間で売上高200億円の達成を見込み、2033年3月期の売上高は500億円を目指します。


「ゴールドウイン」のリブランディングの軌跡

店舗展開やラインアップ展開

中国大陸での出店加速

「Goldwin Chengdu(ゴールドウイン 成都)」

の店舗外観

「Goldwin500」の地域別取り組み方針

地域 取り組み方針 2033年3月期売上高
日本 ・プレミアムスポーツブランドの確立
・出店拡大(15店舗体制)
10,000百万円
グレーター
チャイナ
・現地企業パートナーと事業展開に向けたジョイントベンチャー設立
・中国事業経験者の採用強化
30,000百万円
韓国 ・事業経験豊富の現地パートナー(YOUNGONE OUTDOOR Corporation)と連携
・事業を担う人材の育成
6,000百万円
他アジア ・事業を担う人材の育成 800百万円
欧州 ・事業拡大に向けた現地体制強化
・事業を担う人材の育成
2,000百万円
北米 ・事業拡大体制の整備
・事業を担う人材の育成
1,200百万円

Goldwin500による業績見通し(グローバル)

27.3期で黒字転換、2033年3月期では営業利益率20%台へ
海とヨット

キャッシュ・アロケーション

成長投資と株主還元の両立を目指す

取締役専務執行役員 白崎 道雄

当社は、中期経営計画期間の営業キャッシュ・フローを1,200~1,300億円規模と想定しています。 4つの投資領域への配分を示し、成長投資には「ゴールドウイン」「ザ・ノース・フェイス」のブランドへの投資が大きな部分を占め、事業基盤投資では「PLAY EARTH PARK」への投資実行、ESG投資では環境配慮に対応した素材開発、それと並行して株主への還元も進める方針です。株主還元においては、目標を当期純利益の変動影響を受けにくい「株主還元配当率(DOE)」 6%以上を目標として設定しました。中期経営計画期間中、自社株買いを含む総還元性向は引き続き40%を目指します。


成長投資と投資から生み出される次なるキャッシュ

営業キャッシュフローの創出

資本政策および資本コストを意識した経営

主要KPI

資本効率 ROE 20.0%以上
株主還元 配当 DOE 6%以上
自社株買い 総還元性向40%目安
財務規律 D/Eレシオ 0.3倍以下

資本政策の基本方針

資本効率
  • 「ザ・ノース・フェイス」の持続的な成長
  • 海外成長市場への進出加速
  • ブランドポートフォリオ見直し
  • 会員プログラムを通じた顧客満足度の向上
  • 資本コストを意識した経営
株主還元
  • 配当指標としてDOEの採用により継続した安定配当を目指す
  • 機動的な自社株取得と自社株の有効活用を検討
財務規律
  • 財務基盤の健全性を維持しつつ、投資、還元余地の見直し・実行

事業におけるサステナビリティ 高ROE経営体制の維持・向上

ROE
売上高の拡大 販売効率の改善 資本構成の最適化
改善
ドライバー
自主管理
売上比率の
向上
海外売上高
比率の向上
コスト
コントロール
販売ロス率
低下
在庫残高の
コントロール
株主還元 有利子負債の
コントロール
KPI 自主管理
売上比率
海外売上高
比率
売上高
販管費率
販売ロス率 在庫残高 DOE
総還元性向
D/E
レシオ
2024年
3月期
56% 4.7% 34.1% 1.5% 182億円 8.4%
40.7%
0.01倍
29.3期 60% 10% 32.0~37.0% 1.5% 230~270億円 6%以上
40%目安
0.3倍以下
方針 中計最終年度に自主管理売上比率60%を目指す 中計最終年度に海外売上高比率10%を目指す 成長投資を続けながら30%台を
維持する
中計期間中、現状水準の維持を
目指す
発注量の抑制と、シーズン中での
流動在庫の徹底
中計期間中、DOE 6%以上を目指す
総還元性向40%目安に機動的自社株買い
財務規律を
維持する

当社は、「PLAY EARTH 2030」の基本方針に基づき、環境・事業における2つのサステナビリティに取り組んでいます。中期5ヵ年経営計画では、高いROE経営体制を維持しつつ、「ザ・ノース・フェイス」「ゴールドウイン」の市場を拡張し、ブランド価値を向上させ、「リジェネラティブ活動の推進」として地球環境の再生に向けてさらに進めてまいります。

中期5ヵ年経営計画の詳細はこちらをご参照ください。