人材戦略の考え方と人的資本 Sustainability
基本的な考え方
ゴールドウインでは、人的資本の最大化を目指すことが、経営上の最重要項目となっています。
激変する社会と、厳しい経営環境下においても、持続可能な成長を目指すための「人事基本方針」として、当社では「不透明な環境下においても、会社を持続的に成長させることができるプロフェッショナル人材の育成と確保を推進する」ことを掲げています。主管部門である人事部においては、「地域・社会から必要とされる100年企業への成長を目指し、人的資本経営推進の中心的役割を担う」ことを目標とし、中期経営計画のPLAY EARTH 2030の達成に向けて長期的な企業価値向上の視点を持った人材マネジメントを実行しています。また、従業員が能力を最大限に発揮できる事業体制構築のため、従業員エンゲージメントの向上や人材への投資、適切な配置を推進するとともに、海外事業の拡大に伴う人材確保および育成を強化しています。
求める人物像
当社では「人事基本方針」の実現に向けて、「求める人物像」を定め、全社で共有しています。こうした人物像が当社の企業価値を支える人的資本であると認識し、これを最大化するための各施策に取り組んでいます。
お客さま志向で、想像力が発揮できる、専門性の高い人材
相手の立場で物事を考え、人とは違う思考と、高いレベルの専門性(知識・スキル)により、新しい事業を構想・推進できる人材
自身の役割・責任を主体的に果たしチャレンジできる人材
チーム(組織)として成果を上げるために、自身に求められる役割・責任をしっかり認識し、責任を持って遂行するとともに、新しいことにチャレンジする人材
個性を尊重し、チーム力を活用して成果を上げることができる人材
個々の能力の最大化に加え、チーム(組織)としてのリソースを最大限活用し、全社最適の観点から事業を推進する人材
推進体制・責任者
管理本部本部長を責任者とし、人事部が人事基本方針に基づいた各施策の主管部門です。各施策は経営会議へ報告し、経営会議を通して取締役会から監督・指示を受けています。また、グループ会社人事との連携ならびに、労働条件や職場環境、待遇面について従業員代表であるゴールドウイン委員会と意見交換・改善案の協議を行っています。2024年度より人事部の配下に人的資本推進グループを新設しました。人的資本を強化する体制を整え、社内への周知も行っていきます。
各施策の詳細は以下のページを参照してください。
ゴールドウインらしい企業風土の醸成
当社は創業以来、先人たちから受け継いだ知恵と技術を伝承し、ゴールドウインらしい企業風土を守りながら企業活動を行っています。2022年度からは、社長と従業員が直接対話を行い当社のビジョンへの理解を深め行動指針とする社長講話研修(20~25名ほどの小単位でミーティング)と、キャリア採用者を対象に富山において当社の歴史を学び、気づきを得る会長研修を行っており、それぞれ累計で、計1,139名、518名が受講しています。
先人たちの功績を称え、その遺徳を偲ぶ「遺徳の碑」
富山県小矢部市に建てられた「遺徳の碑」。さまざまな苦難を乗り越えて会社の発展を支え続けてくれた先人たちの功績を称え、その遺徳を偲びたいという創業者の西田東作が想いを込めて建立しました。毎年の株主総会終了後には経営幹部全員が遺徳の碑を参拝しています。ただ過去を刻み、とどめるためにではなく、創業時の熱い想いと絶え間なく続けてきた努力を、現在、そして未来へと受け継いでいくための道標であり、さらなる発展へと向かう出発点でもあります。
情報の共有、目標の共有、会社の共有を実践
かつて富山県の高瀬神社や国泰寺などに場を借りて行っていた新入社員や経営幹部たちの研修合宿では、問題や将来の課題をまとめ、一人ひとりがどう取り組むかを考え、心を一つにすることの大切さを学びました。早朝の掃除に始まり、講話や座禅で心の鍛錬に励むことは当社の伝統行事となりました。現在では年一回、経営幹部が集まり会社の情報・目標を共有する経営方針発表会に引き継がれています。
家族や先祖へ感謝し、遷宮による文化継承を学ぶ、伊勢神宮参拝
創業者の西田東作は、「世の中には人間の力の及ばないものもあります。迷った時は心を洗い、邪心を払って清浄な気持ちで神仏の前で、自分がどうすればよいかを真剣に考えてみる。そうすると自然と歩く道が見えてくるのです」と語っていました。当社では毎年、厄年を迎えた従業員が伊勢神宮を参拝しています。従業員一人ひとりが先祖や家族に感謝し健康を祈るとともに、20年に一度の遷宮の歴史を通じて、受け継ぐことの大切さを学ぶ機会としています。
2023年度は59名の従業員が参拝しました。
新しい視点のインターネットメディアSPORTS FIRST MAG
SPORTS FIRST MAGでは当社の従業員やゆかりのあるアスリートのインタビューを通して、スポーツを一番に考える人たちのスポーツライフや、スポーツと仕事、スポーツに役立つノウハウなどを発信しています。上手か下手か、強いか弱いか、という基準ではなく「スポーツを一番に考えるヒト、コト、生活、仕事」といった目線でスポーツを捉えた新しい視点のメディアです。
2023年度は18名の従業員のスポーツライフを紹介しました。
各種スポーツ大会への従業員の参加
当社では、160km以上のトレイルを走る国際的なトレイルランニングレース、ウルトラトレイル・マウントフジや、富山県で開催される富山マラソンなどに協賛するとともに、大会には多くの従業員が選手、運営/ボランティアスタッフとして参加しています。
イベント名 | 従業員の参加人数 |
---|---|
北陸ウェルフェアゴルフトーナメント | 24名 |
富山マラソン | 36名 |
ウルトラトレイル・マウントフジ | 82名 |
SPORTS FIRST AWARDS
SPORTS FIRST AWARDSは、スポーツを実践している従業員を表彰する制度です。前年度の活動(インターネットメディアSPORTS FIRST MAG)のなかから、最もSPORTS FIRSTを体現していると思われる従業員を社内の投票によって選出し、その上位3名を表彰するもので、それぞれに金一封と特別休暇を授与しています。
2023年度は、東京本社から富山本店間を自転車で出勤するという離れ業を成し遂げた石森充昭がゴールドアワードを受賞し、谷口信孝がシルバーアワード、小林達郎がブロンズアワードを受賞しました。
スポーツエール制度
スポーツエール制度は、スポーツに関わる従業員に対して、一過性のイベント参加では無く、高い目標を立てて継続的なチャレンジをしていただくために支援を行う制度です。
スポーツ大会だけでなく大会でのボランティアや指導者としての参加も対象となっており、各自のレベルにより、金銭補助、商品提供、特別休暇などで支援します。 2023年度は41名の従業員が制度を利用しました。
ゴールドウイングループ委員会(従業員代表)
当社グループでは、各事業所で従業員代表を選任しています。また、従業員代表が執行部を担うゴールドウイングループ委員会を設置し、労働組合に代わり法的に求められる労使協議を行い、36協定を含む必要な労使協定を締結しています。
従業員代表の選任にあたっては、全従業員(パート・アルバイトを含む)の投票により、年に1回実施しています。また、従業員に著しい影響を及ぼす可能性がある重大な変更を実施する場合、従業員および従業員代表に対して事前に通知し、従業員代表との協議の上決定しています。従業員代表とは定期的に会議を実施しています。2023年度はJ-ESOP給付に関する周知、インターナルメディア「COMPASS」による情報発信、介護をしている従業員の支援、スポーツイベント、サステナビリティ推進等について、4回の会議を行いました。また富山地区においては独自に10回の会議を行っており、上記のテーマに加え、労働安全衛生や地域におけるイベント等について話し合いを行いました。
今後の課題
当社では、今後も人事基本方針に基づき各施策に取り組みます。2022年度に開始した新人事制度の理解促進に引き続き注力します。2023年度は従業員満足度調査を実施し、課題の特定と改善に向けた検討を行いました。2024年度以降は具体的な施策に落とし込み、組織活性化に取り組んでいきます。また、経営方針に基づいたグローバル人材の育成や、ダイバーシティの推進を行い、人的資本の最大化を目指します。