人材戦略の考え方と人的資本 Sustainability

基本的な考え方

ゴールドウインでは、人的資本の最大化を目指すことが、経営上の最重要項目となっています。

激変する社会と、厳しい経営環境下においても、持続可能な成長を目指すための「人事基本方針」として、当社では「不透明な環境下においても、会社を持続的に成長させることができるプロフェッショナル人材の育成と確保を推進する」ことを掲げています。主管部門である人事部においては、「地域・社会から必要とされる100年企業への成長を目指し、人的資本経営推進の中心的役割を担う」ことを目標とし、中期経営計画のPLAY EARTH 2030の達成に向けて長期的な企業価値向上の視点を持った人材マネジメントを実行しています。また、従業員が能力を最大限に発揮できる事業体制構築のため、従業員エンゲージメントの向上や人材への投資、適切な配置を推進するとともに、海外事業の拡大に伴う人材確保および育成を強化しています。

体制図

求める人物像

当社では「人事基本方針」の実現に向けて、「求める人物像」を定め、全社で共有しています。こうした人物像が当社の企業価値を支える人的資本であると認識し、これを最大化するための各施策に取り組んでいます。特に、2024年5月に策定したパーパス、ビジョン、バリューに共感する人材の採用に力を入れています。

Play

遊ぶ

・好奇心と探求心を持って何事にも自ら取り組んでいる
・新たなルールや仕組みを柔軟に取り入れている

Imagine

想像する

・物事の本質を多角的な視点で想像、考察し、構造的に捉えている
・知識と経験と情報を活かして想像している

Engage

挑戦する

・困難、未知、正解がないことに向き合い、信念を持って行動している
・変化を恐れず、自ら率先して挑戦している

Create

生み出す

・細部に至るまで妥協せず、こだわりを持って取り組んでいる
・継続した行動と思考により改善を行っている

Respect

敬意を示す

・周囲と相互関係を築いている
・全体の益を考えた行動が出来ている

推進体制・責任者

管理本部本部長を責任者とし、人事部が人事基本方針に基づいた各施策の主管部門です。各施策は経営会議へ報告し、経営会議を通して取締役会から監督・指示を受けています。また、グループ会社人事との連携ならびに、労働条件や職場環境、待遇面について従業員代表であるゴールドウイン委員会と意見交換・改善案の協議を行っています。2024年度より人事部の配下に人的資本推進グループを新設しました。人的資本を強化する体制を整え、社内への周知も行っていきます。


ゴールドウインらしい企業風土の醸成

当社は創業以来、先人たちから受け継いだ知恵と技術を伝承し、ゴールドウインらしい企業風土を守りながら企業活動を行っています。2022年度からは、社長と従業員が直接対話を行い当社のビジョンへの理解を深め行動指針とする社長講話研修(20~25名ほどの小単位でミーティング)と、キャリア採用者を対象に富山において当社の歴史を学び、気づきを得る会長研修を行っており、それぞれ累計で、計1,843名、638名が受講しています。


コーポレートステートメントの浸透・共有に向けた取組み

2024年5月に策定したコーポレートステートメント(パーパス・ビジョン・バリュー)を社内で浸透・共有するために、当社のインターナルメディア「GOLDWIN COMPASS」内で、本部長8名によるリレー対談を実施しました。「各本部代表の8名が、新たなコーポレートステートメントをどう捉えているのか。それを体現するために、何を考えているのか。」を語ることで、変化のなかで従業員一人ひとりが持つべき指針のヒントを示しました。

産廃の様子

また、パーパスを現場レベルでより一層浸透・共有するために、各現場ごとに「パーパス共感推進トレーナー」を任命しました。パーパス共感推進トレーナーに対しては、「パーパスを自分の言葉で語れるようになる・パーパス共感推進の計画を具体化する」などを目的とした研修を実施しました。


先人たちの功績を称え、その遺徳を偲ぶ「遺徳の碑」

富山県小矢部市に建てられた「遺徳の碑」。さまざまな苦難を乗り越えて会社の発展を支え続けてくれた先人たちの功績を称え、その遺徳を偲びたいという創業者の西田東作が想いを込めて建立しました。毎年の株主総会終了後には経営幹部全員が遺徳の碑を参拝しています。ただ過去を刻み、とどめるためにではなく、創業時の熱い想いと絶え間なく続けてきた努力を、現在、そして未来へと受け継いでいくための道標であり、さらなる発展へと向かう出発点でもあります。


情報の共有、目標の共有、会社の共有を実践

かつて富山県の高瀬神社や国泰寺などに場を借りて行っていた新入社員や経営幹部たちの研修合宿では、問題や将来の課題をまとめ、一人ひとりがどう取り組むかを考え、心を一つにすることの大切さを学びました。早朝の掃除に始まり、講話や座禅で心の鍛錬に励むことは当社の伝統行事となりました。現在では年一回、経営幹部が集まり会社の情報・目標を共有する経営方針発表会に引き継がれています。

研修合宿

家族や先祖へ感謝し、遷宮による文化継承を学ぶ、伊勢神宮参拝

創業者の西田東作は、「世の中には人間の力の及ばないものもあります。迷った時は心を洗い、邪心を払って清浄な気持ちで神仏の前で、自分がどうすればよいかを真剣に考えてみる。そうすると自然と歩く道が見えてくるのです」と語っていました。当社では毎年、厄年を迎えた従業員が伊勢神宮を参拝しています。従業員一人ひとりが先祖や家族に感謝し健康を祈るとともに、20年に一度の遷宮の歴史を通じて、受け継ぐことの大切さを学ぶ機会としています。

2024年度は45名の従業員が参拝しました。

参拝の様子
参拝の様子

TSUNAGU

当社では、毎年富山本店と東京本社で運動会を実施していますが、2024年度は東京本社での運動会が雨天中止となってしまいました。運動会が雨天中止となったことを受けて。社員同士の交流の機会を作るべく、新本社の1階スペースを活用して「TSUNAGU」というイベントを開催しました。具体的には、「チームビルディングを兼ねたチームでの謎解きゲーム」や「部署紹介、部活紹介」を実施しました。

イベントの様子
イベントの様子

各種スポーツ大会への従業員の参加

当社では、160km以上のトレイルを走る国際的なトレイルランニングレース、ウルトラトレイル・マウントフジや、富山県で開催される富山マラソンなどに協賛するとともに、大会には多くの従業員が選手、運営/ボランティアスタッフとして参加しています。

参加の様子
2024年度の実績
イベント名 従業員の参加人数
北陸ウェルフェアゴルフトーナメント 24名
富山マラソン 35名
ウルトラトレイル・マウントフジ 146名

スポーツエール制度

スポーツエール制度は、スポーツに関わる従業員に対して、一過性のイベント参加ではなく、高い目標を立てて継続的なチャレンジをしていただくために支援を行う制度です。

スポーツ大会だけでなく大会でのボランティアや指導者としての参加も対象となっており、各自のレベルにより、金銭補助、商品提供、特別休暇などで支援します。2024年度は44名の従業員が制度を利用しました。


ゴールドウイングループ委員会(従業員代表)

当社グループでは、各事業所で従業員代表を選任し、従業員代表が執行部を担うゴールドウイングループ委員会を設置しています。労働組合に代わり法的に求められる労使協議や経営との対話を行い、36協定を含む必要な労使協定を締結しています。

従業員代表の選任にあたっては、全従業員(パート・アルバイトを含む)の投票により、年に1回実施しています。また、従業員に著しい影響を及ぼす可能性がある重大な変更を実施する場合、従業員および従業員代表に対して事前に通知し、従業員代表との協議の上決定しています。従業員を代表する組織である「ゴールドウイングループ委員会」と、会社の経営層は定期的に会議を実施しています。


従業員エンゲージメントサーベイ

当社では、過去から継続して従業員エンゲージメントサーベイを実施しており、2024年度は3回目の実施となります。従業員エンゲージメントサーベイの結果から、「会社基盤」や「事業内容」への満足度が高いことが把握できました。一方で、「施設環境」「組織風土」などには伸びしろがあることも把握できているため、サーベイの結果を活用して従業員エンゲージメントを高める施策を検討していきます。


今後の課題

当社では、2022年度に開始した新人事制度に基づき抽出した課題の解決に着手しています。
具体的には従業員のエンゲージメント向上につながる施策の立案や制度の改善に向けて取り組みを進めてまいります。