雇用・ダイバーシティ Sustainability

基本的な考え方

ゴールドウインでは、従業員それぞれの暮らし方・働き方・考え方を認め、個性を尊重し合うことを大切に考えています。こうした考えを「人権方針」に定め、性別や国籍、民族、障がいの有無、性的指向などによる一切の差別をせず、多様な人材確保に取り組んでいます。

2022年度よりジョブ型人事制度へと移行したことで、入社年次や年齢、新卒・キャリア入社を問わない、より公正公平で透明性のある運用が可能となりました。多様な人材が自身の能力・経験を活かしきり、活躍できる環境づくりに努めていきます。2024年度は人事部に人的資本推進グループを新設し、人的資本経営、女性活躍やダイバーシティ推進、人材育成などの施策を強化してきました。2025年度は人的資本推進グループを社内推進グループと店舗推進グループの2グループ体制とし、現場における効率的な施策の推進のための体制強化を行っています。


多様性確保の考え方

従業員一人ひとりの多様な経験やバックグラウンドは、事業を支え、成長させていく原動力となります。当社では、持続的な成長と企業価値の向上を実現させるためには、従業員の多様な視点や価値観を尊重することが重要と考え、経験・技能・キャリアが異なる人材を積極的に採用しつつ、管理職・エリア長・店長等の中核人材に女性・外国人・キャリア採用者であることの区別無く、積極的に登用しています。目標やKPIを具体化し、社内外にその進捗を発信しながら着実に取り組みを進めていきます。新卒採用においてもグローバル志向を持つ人材採用を進め、海外事業拡大においてリードできる人材の獲得と育成を行っています。

従業員データ(グループ)
  2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
従業員数(名) 合計 2,830 2,861 2,866 2,903 2,833
1,328 1,364 1,376 1,400 1,406
1,502 1,497 1,490 1,503 1,427
外国人従業員数(名) 13 21 22 26 26
平均年齢(歳) 39.7 39.8 40.5 40.6 40.6
平均勤続年数(年) 11.8 11.7 12.1 12.1 11.7
管理職比率(%) 95.5 95.4 93.8 93.5 91.7
4.5 4.6 6.2 6.5 8.3
女性役員比率(%) 15.4 16.7 14.3 14.3 14.3
新卒採用人数(名) 合計 30 33 14 23 36
18 19 8 10 25
12 14 6 13 11
キャリア採用人数(名) 合計 127 108 98 132 66
58 48 56 71 38
69 59 42 61 28
新卒社員3年定着率(%) 合計 85.3 80.7 97.4 90 84.9
81.8 71.4 100 88.9 89.5
87 88.2 95 91.6 78.6
離職者数 合計 175 214 240 221 211
自己都合 144 186 201 176 175
契約期間満了 22 21 34 43 29
定年 1 2 2 1 2
会社都合 8 5 3 1 5
離職率(%) 5.8 7.0 7.7 7.1 6.9
雇用契約別従業員データ(グループ)
  2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
従業員非正社員比率(%) 65.7 64.4 65.1 63.6 64.4
正社員(名) 合計 970 1,019 1,001 1,056 1,009
503 524 521 569 563
467 495 480 487 446
契約社員
(販売職以外)(名)
合計 433 463 493 425 450
239 254 262 225 241
194 209 231 200 209
契約社員
(販売職)(名)
合計 978 997 972 1,063 1,066
467 474 465 512 510
511 523 507 551 556
パート・アルバイト(名) 合計 449 382 400 359 308
119 112 128 94 92
330 270 272 265 216
その他
  2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
派遣社員 合計 44 35 32 37 32
4 0 1 2 2
40 35 31 35 30

採用方針

当社では、採用方針として性別や国籍、新卒・キャリア、障がいの有無を問わず当社の価値観に共感いただける仲間を広く求めています。「不透明な環境下においても、会社を持続的に成長させることができるプロフェッショナル人材の育成と確保を推進する」ことを「人事基本方針」として定め、この実現に向けて5つのVALUEを軸とする「求める人物像」を全社で共有しています。こうした人物像が当社の企業価値を支える人的資本であると認識し、これを最大化するための各施策に取り組んでいます。

Play

遊ぶ

・好奇心と探求心を持って何事にも自ら取り組んでいる
・新たなルールや仕組みを柔軟に取り入れている

Imagine

想像する

・物事の本質を多角的な視点で想像、考察し、構造的に捉えている
・知識と経験と情報を活かして想像している

Engage

挑戦する

・困難、未知、正解がないことに向き合い、信念を持って行動している
・変化を恐れず、自ら率先して挑戦している

Create

生み出す

・細部に至るまで妥協せず、こだわりを持って取り組んでいる
・継続した行動と思考により改善を行っている

Respect

敬意を示す

・周囲と相互関係を築いている
・全体の益を考えた行動が出来ている

インターンシップ

当社はスポーツ業界、アパレル業界を目指す大学生、高校生への教育支援活動として、インターンシップを実施しています。若者が当社のインターンシップを通して実社会を体験し、自身の業務が未来を創ることを実感することで、将来の進路選択に役立つ機会を提供しています。また、当社においては、若い世代と関りを持つことで、業界の活性化や社員の視点の変化を生み出すことにつながると考えています。

2024年度は、全20日間の日程で延べ452名が参加し、モノづくりやプロモーション企画の実習を行いました。

参加者の声

  • 1日を通してGoldwinの魅力や挑戦していることなどを知ることができてより、御社に入社したいと感じました。
  • 地球環境を自分事として捉えている会社でモノを売るだけでなく、トキを届ける企業に魅力を感じました。

海外人材採用強化

当社では、グローバル人材の採用にも積極的に取り組んでいます。
海外の現地法人を中心に採用活動を推進するとともに、グローバル人材に強みを持つエージェントとの連携を強化しています。また、当社では未来を担うグローバル人材の育成にも力を注いでおり、海外大学への派遣制度を充実させています。正社員として入社後原則3年以上の従業員を対象に、1年間の留学を通じて、各自が自身の専門分野を深められるカリキュラムを用意しています。さらに、2025年度に向けては、派遣先の海外大学と提携し、帰国後の就職先候補として当社を選んでいただけるような取組みも進めています。


女性活躍推進

ゴールドウインでは、すべての従業員が能力を存分に発揮できる企業風土や環境づくりを進めるなかで、女性活躍の推進に力を入れています。女性活躍推進においては、上位職志向において男女差があることを課題として捉え、女性管理職比率の向上に加え、管理職候補となるリーダー職、エリア長・店長職への積極登用を重点目標として定め、取り組みを進めています。さらに、働きやすい職場環境の整備を通じて、育児休業後フルタイムで復職できるよう柔軟な働き方を推進しています。


女性活躍推進に関する行動計画

当社では、2020年に女性活躍推進法に基づく行動計画を策定しました。2021年度には子育て中の女性従業員を対象に、ワークライフバランスシートをもとにしたヒアリングを推進し、2022年3月までに実施率100%となっています。

女性の活躍機会を一層拡大すべく、2025年度には新たに2027年度までの3カ年の行動計画を策定しました。以下の3つの目標のもと、さらなる環境整備を進めています。

目標1 育休からの復職者と管理者に対してのフォローアップ面談実施率100%

目標2 女性従業員のキャリアアップ意識向上率10%増

目標3 男性育休推進実施により男性育休取得率30%目標

2024年度の実績
目標 2024年度
目標1
育休からの復職者と管理者に対してのフォローアップ面談実施率100%
・復職者面談実施率50%
・管理者に対してのフォローアップは必要に応じて実施
目標2
女性従業員のキャリアアップ意識向上率10%増
上長推薦を受けたMG候補19名を選抜し、女性リーダー育成研修を実施
目標3
男性育休推進実施により男性育休取得率30%目標
育休取得率77.6%

女性従業員のキャリア形成支援

2023年度まで、女性管理職の拡大に向けて、現状の課題を把握し今後に活かしていくため、2021年より女性管理職ワークショップ「Woman’sチャットミーティング」を開催していました。
2024年度からの新たな取り組みとして、女性管理職候補者を対象に5日間の研修を実施しました。研修では、リーダーとして必要な基礎的スキルを学ぶとともに、自分なりのリーダー像を描き、リーダーとしての行動を理解する機会を提供しました。また、自社で活躍する先輩女性リーダーとの対話会を開催し、これまでのキャリアの歩みやキャリア選択の背景・理由、困難な状況の乗り越え方などを共有することでキャリアプランのヒントを得ることにつなげました。
研修の最終日には、参加者が研修全体を通じて得た学びを踏まえ、自らの将来のリーダー像や実現に向けたアクションプランを作成し、今後の意識醸成と行動につなげました。女性従業員への研修・セミナーは今後も継続開催し、そのキャリア形成を支えていきます。


障がいのある従業員が活躍できる環境整備

ゴールドウインでは、ハンディキャップの有無に関わらず、多様な人材が活躍できる共生社会の実現を目指しています。障がいのある人が、それぞれの障がいの特性に応じて柔軟に働き続けられる環境整備に取り組み、2024年度の障がい者雇用率は2.31%となりました。

今後は、店舗を含めた職域の開発を行い、障がい者雇用を拡大していく予定です。その土壌づくりとして、障がい者雇用への理解促進の研修を、管理職から順次実施していきます。

障がい者雇用率の推移(連結)
2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
障がい者雇用率(%) 2.63 2.33 2.42 2.31 2.31

「GOLDWIN KAWAGOE FARM」と「GOLDWIN HANNO FARM」の取り組み

ゴールドウインでは、スポーツを通じた豊かな暮らしの実現と、社会の発展に寄与することを目指し、障がい者の就労・定着に取り組んでいます。その取り組みの一環として、株式会社スタートラインが展開する「屋内農園型障がい者雇用支援サービスIBUKI」を活用し、埼玉県川越市に「GOLDWIN KAWAGOE FARM」と飯能市に「GOLDWIN HANNO FARM」を開設しました。本農園では、2025年3月現在、「KAWAGOE」は10名、「HANNO」は7名の障がいのあるスタッフが作物の栽培や加工に従事しています。スタッフは就労中、NEUTRALWORKS.で製作したユニフォームを着用し、ゴールドウイングループ従業員としての一体感を感じながら作業に当たっています。本農園で生産したハーブは、東京本社でハーブティとして提供するほか、各種イベントやNEUTRALWORKS.のノベルティとしての使用、ゴルフ倶楽部ゴールドウインや直営店カフェのレストランメニューにも採用しています。
当社の人事担当者が積極的に運営に参画し、障がいのあるスタッフが仕事に慣れ、定着して働くことができるように支援や対応等を行っており、今後、これらの活動に対する社内の認知・理解をさらに深め、障がい者雇用の重要性について従業員の意識浸透を図っていきます。


障がいを持つ従業員をサポートする看護師雇用の取り組み

富山県に拠点を置く株式会社ゴールドウインエンタープライズでは、雇用している障がいを持つ従業員を日常的にサポートする役割を担う看護師を雇用し、障がいを持つ従業員が安心して働ける環境づくりを行っています。


インターンシップの受け入れ

2024年度に店舗で障がいをお持ちの方をインターンシップとして1名受け入れました。今後は、この活動の継続を検討するとともに、特別支援学校と連携をとりながら、地域の大型店舗等で働ける人材を採用することを視野に取組みを推進していきたいと考えています。


高齢者再雇用制度

労働力人口が減少する今日、年齢を問わず、多くの人が長く現役で働き続けられる環境整備が社会全体で求められています。ゴールドウインでは高齢者再雇用制度を設け、60歳の年度末で定年を迎える従業員のうち、希望があるすべての人を65歳になる年度末まで再雇用しています。2024年度の再雇用者数は139名、再雇用率は94.56%でした。

高年齢者再雇用者数と再雇用率
2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
再雇用者数(人) 75 84 158 100 139
再雇用率(%) 64.6% 71.7% 82.3% 70.9% 94.56%

今後の課題

ゴールドウインは、包容力をもって一人ひとりの人格を大切にする企業であるために、多様な人材の雇用や勤務を可能とし、その能力を活かす職場環境づくりを目指し続けます。今後は人的資本の最大化、女性を含むダイバーシティの推進、研修制度の充実などの取り組みを強化していきます。