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2025年3月期 第2四半期

決算のまとめ

第2四半期の売上高は前年同期比104.4%の53,367百万円となり、期初計画通りに推移しました。登山需要の増加、野外フェスなどのイベント再開も寄与し、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」は順調に伸びています。販売チャネル別では、自主管理売上比率が56%となり、都市部の直営店の売上が好調に推移しています。さらに、EC売上も前年同期比で増加を維持しており、今後は実店舗との連携を強化する方針です。

第2四半期決算実績
売上高 売上総利益 営業利益 経常利益 当期純利益
実績(百万円) 53,367 26,638 5,214 9,917 7,865
対前年同期比(累計) 104.4% 102.6% 85.9% 108.0% 107.4%
対前年同期比(四半期) 103.0% 99.7% 88.7% 113.0% 105.8%
売上高構成比
()は前期実績
49.9%
(50.8%)
9.8%
(11.9%)
18.6%
(18.0%)
14.7%
(14.3%)

インバウンドは、期初見通しを上回る推移

インバウンド売上比率(直営店)

第2四半期において、直営店でのインバウンド売上高構成比は23.3%となり、上期累計で過去最高比率を更新しました。好調なインバウンド需要により、期初計画の20%を上回って着地の可能性があります。

都道府県別のインバウンド売上高構成比では、訪日観光客の多い福岡、大阪、沖縄が上位を占めました。「ザ・ノース・フェイス」のフラッグシップショップがある原宿周辺の直営店では、インバウンド比率が5割を超えていますが、東京全体ではファミリー層が多い郊外型店舗も含むことから、都道府県別インバウンド売上構成比は4位となりました。静岡においては、直営店は御殿場のアウトレット1店舗のみですが、訪日観光客も多く訪れるアウトレットモールとなっているため、インバウンド売上高比率は、高い数値を示しています。

訪日観光客の国別売上高構成比は、中国大陸が約半数を占め、次いで台湾、韓国となっています。今年の春節以降、中国大陸からの観光客が急回復しました。韓国の観光客は、日本限定の「ザ・ノースフェイス・パープルレーベル」などのファッションアイテムに強い関心が寄せられ、安定的な購買に結びついています。

売上と利益の最適化 7月の月次売上高は、気候変動の影響によって売れ筋製品の品ぞろえや価格戦略に課題が生じたため、売上総利益率が低下。しかし、8月以降は、季節トレンドと消費者ニーズを迅速に反映したプロモーション施策を展開することで、売上高は回復基調を維持。
在庫管理と
サプライチェーンの強化
9月末時点の棚卸資産残高は前年同期比112%ながら、社内計画に沿った推移。秋冬シーズンに向けて、需要予測の精度を高め、売れ筋製品のタイムリーな補充と不良在庫の削減に注力し、効率的な管理体制を構築中。
販売チャネルの最適化 リアル店舗の売上がコロナ禍前の水準を大きく上回る一方、EC売上のさらなる伸長を図るため、リアル店舗との連携をさらに強化する方針。オンライン限定製品の展開や、SNSマーケティングを活用したブランド認知の拡大にも取り組む。
マーケティング施策の
効果測定
地域別の営業政策を強化するとともに、顧客属性データを活用したターゲット別のパーソナライズドマーケティング施策を展開し、リピート率の向上と新規顧客の獲得に取り組む。

中国大陸での出店状況

「Goldwin500」プロジェクトで掲げたように、「繊細、丁寧、緻密、簡潔」といった日本の伝統的な技法を活かし、プレミアムスポーツ分野でスポーツとファッションを高次元で融合させる「グローバルニッチ市場」を目指しています。
今期、成都と上海に新規出店し、中国大陸での店舗数は3店舗となりました。今年度中には、杭州と南京への出店も予定しており、中期経営計画に基づいて、さらなる店舗展開を進めていきます。

8月2日にオープンした「ゴールドウイン 成都」は、オープン当初は計画を下回りましたが、足元では北京店とほぼ同水準の売上高を維持しています。10月の単月では計画を達成し、リピーターも徐々に増加傾向にあります。今後は新規来店客の増加とリピート購買の両方に期待しています。

Goldwin Chengdu(ゴールドウイン成都)

9月21日にオープンした「ゴールドウイン 上海」は、オープン以来好調な売上を維持し、9、10月ともに計画を大きく上回りました。売上高は北京店と成都店を超え、中国大陸の店舗のなかで最大規模となっています。さらに、顧客のリピート率は約20%に達し、ブランド認知が高まるなかで、OAMCやGoldwin 0などのプロジェクト製品に対する関心も多く寄せられています。

Goldwin Shanghai(ゴールドウイン上海)

韓国の事業進捗

韓国での取り組みも、中国大陸と同様に着実に進めています。11月8日に韓国初となるPOP UP STOREをオープンしました。韓国市場は、Z世代を中心にトレンドに敏感な若年層が多く、消費のスピードが非常に速いことが特徴です。そのため、SNSを活用したマーケティングを強化し、オンラインでの情報発信を通じて来店を促す工夫を行っています。

また、アウトドアと都市生活の両方に対応する高機能で洗練されたプロダクトを提供し、韓国の消費者に新しい体験を提案します。店舗デザインは、ソウルのデザインスタジオ「niceworkshop」との協業により、「循環」をテーマにしています。空間構成には、建築用アルミニウム型枠「AL-FORM」を取り入れ、自然の美しさを表現しています。

POP UP STOREの展開を通じ、2025年秋冬シーズンに出店予定の直営店に向けて、ブランド価値のさらなる向上を目指していきます。

店舗デザインは、ソウルを拠点に素材の特性と実験的なクリエーションで注目を集める「niceworkshop」との協業

2025年3月期
通期見通し

通期業績見通しについては、期初の計画を据え置いています。
第2四半期までの売上高は計画通りに推移しており、売上総利益率は社内計画を若干下回るものの、営業利益以下の各利益は期初見通しを上回っています。営業利益は他の項目に比べて低い進捗となっていますが、第3四半期以降に売上構成比の高い秋冬製品の販売ピークを迎えることで、営業利益の拡大を図る方針です。
また、暖冬観測に備え、高機能性を活かしたライフスタイル向けの製品を中心に、幅広い顧客層へのアプローチを強化していきます。

2025年3月期 決算見通し
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
計画(百万円) 133,200 18,100 25,900 21,000
対前年同期比 105.0% 75.9% 79.4% 86.5%
売上高構成比 13.6% 19.4% 15.8%
第2四半期までの進捗率 40.0% 28.8% 38.3% 37.4%

まとめ

第2四半期までの売上高および利益はおおむね中期経営計画通りに進捗しました。秋冬シーズンに入ってもインバウンド需要は堅調で、売上高を伸ばしています。また、本年も暖冬と予測されるが、当社では防寒アイテムに依存しすぎないよう、高機能性ウエアをライフスタイル領域にまで拡張し、幅広い顧客ニーズに応える提案を進めています。9月末時点で在庫残高は前年同期比で増加していますが、多様なニーズに迅速に対応しているため、適正水準とみています。今後も引き続き効率的な在庫管理を徹底し、高収益体質の強化に努めていきます。