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2026年3月期 第2四半期
決算のまとめ
第2四半期は、直営店舗の大型化や、既存店の増床リニューアルにより、お客さまのニーズに応えたラインアップ構成ならびに、気候の変化に対応した店頭での訴求が奏功し、売上高は7~9月すべての月で前年同月を上回る増収となりました。
一方、持分法適用会社である韓国YOUNGONE OUTDOOR Corporation(以下、YOC)の持分法投資損益が為替換算の影響を受けたため、経常利益以下は減益となりましたが、当社における第3四半期以降の影響は漸減する見通しであり、期初の通期計画に変更はありません。
| 売上高 | 売上総利益 | 営業利益 | 経常利益 | 四半期純利益 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 実績 | 55,589 | 28,554 | 6,959 | 9,093 | 6,798 |
| 前年同期比(上期累計) | 104.2% | 107.2% | 133.5% | 91.7% | 86.4% |
| 前年同期比(2Q単体) | 110.2% | 112.0% | 144.6% | 94.3% | 85.8% |
|
売上利益率 ()は前期実績 |
― | 51.4% (49.9%) |
12.5% (9.8%) |
16.4% (18.6%) |
12.2% (14.7%) |
売上堅調の要因と気候変動への対応
第1四半期に引き続き、主要都市部への大型店舗の新規出店や既存店舗の増床リニューアルなどによって、地域・気温・来店層ごとのお客さまのニーズに応えた販売施策が奏功し、売上高は堅調に推移しました。なかでも透湿性や軽量性を訴求した薄手のシェルやTシャツなど、気候変動に適応した「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE )」の「Climate Adaptation Products」を中心とした高機能性製品が好調に推移するなど、「機能性×デザイン」の両立を打ち出したライフスタイル領域が牽引しました。
| パフォーマンス | ライフスタイル | ファッション | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1Q | 2Q | 上期 | 1Q | 2Q | 上期 | 1Q | 2Q | 上期 | |
| 売上高 | 7,846 | 8,805 | 16,652 | 13,751 | 18,837 | 32,589 | 1,947 | 3,435 | 5,383 |
| 前年同期比(%) | 95.8% | 101.4% | 98.7% | 93.8% | 109.6% | 102.3% | 114.7% | 121.3% | 118.8% |
| 前年同期比(額) | ▲ 341 | +121 | ▲ 220 | ▲ 916 | +1,649 | +733 | +249 | +602 | +852 |
| 売上高構成比 | 33.3% | 28.3% | 30.5% | 58.4% | 60.6% | 59.7% | 8.3% | 11.1% | 9.9% |
売上総利益率を守る経営
第2四半期の売上総利益率は50.2%、上期累計では51.4%と、季節要因(クリアランスセール期)による一時的な低下はあるものの、通期計画52.7%の達成に向けて、計画通りに推移しています。引き続き、設計原価の見直し、高付加価値製品の構成比上昇など、根幹となる収益モデルの改善を進めていく方針です。
売上高総利益率の推移
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 通期 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 24年3月期 実績 | 50.6% | 51.0% | 56.3% | 51.8% | 52.9% |
| 25年3月期 実績 | 50.5% | 49.4% | 54.7% | 52.1% | 52.1% |
| 26年3月期 進捗 | 53.0% | 50.2% | ― | ― | E 52.7% |
| 前年同期比 | +2.5pt | +0.8pt | ― | ― | ― |
自主管理強化と在庫最適化
棚卸資産は9月末で前年同期比95%と前年同期を下回る水準にあります。春夏商材の実需対応と発注流動の精度向上により、在庫を「持たない経営」が定着しています。上期には海外含め10店舗の新規出店を実施し、下期にはロンドン・ソウル・ニューヨークシティなど主要都市での出店を予定しています。
また、OMO戦略も進展しています。Eコマース売上高は上期累計で前年同期比110%。直営店舗と自社Eコマースでのみ展開する限定カラーやコラボレーション製品など、他流通との差別化を行うことで、直営とオンラインの一体運営で成果を上げています。また、11月からはYOCで企画している「THE NORTH FACE WHILE LABEL」の自社Eコマース展開をスタートするなど、Eコマース独自の販売戦略を実施していきます。
四半期別の棚卸資産残高の推移
EC売上高四半期別推移
限定品展開による競争力強化
コラボ製品や、自社EC・一部直営店舗限定で販売するTHE NORTH FACE定番製品のオールブラックカラーなど、限定展開製品が好調。売上高総利益率ならびにブランド価値向上に貢献。
THE NORTH FACE WHITE LABELの日本展開
韓国で人気を博している、THE NORTH FACE WHITE LABELの一部製品の販売を今年も自社EC限定でスタート。
利益と経費
営業利益増益も、経常利益以下が減益。
経費執行は一部見直し
第2四半期の営業利益は新規出店効果と販管費コントロールによって前年同期比で増益となりましたが、YOCからの持分法投資損益が為替の影響によって前年同期比で減益となったことから、経常利益以下は前年同期を下回りました。なお、前期の一過性費用の剥落(前期35億円)により、構造的な利益体質への転換が進んでいます。
販管費については上期までの経費執行実績を踏まえ、現在は下期に向けた経費執行の精査と最適化を進めています。
| 項目名 | 一過性費用控除後の前期比増加額 ➀ |
1Q 同前期比増加額 ② |
2Q 同前期比増加額 ➂ |
上期合計 ④=②+➂ |
下期 修正見通し ⑤=⑥-④ |
通期 修正見通し ⑥ |
期初見通しとの差分 ⑦=⑥-➀ |
特記事項 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 広告宣伝費 | +7 | +2 | +2 | +3 | +7 | +10 | +3 | 下期は、EC、SUMMITシリーズの25周年展示を実施。 |
| 人件費 | +18 | +2 | +3 | +5 | +10 | +15 | ▲3 | キャリア採用の遅れ。それ以外は計画通り。 |
| 賃借料 | +6 | +4 | 0 | +4 | +4 | +8 | +2 | 海外出店等の増加分。 |
| 減価償却費 | +1 | +1 | 0 | +1 | ▲1 | 0 | ▲1 | 計画内の推移。 |
| 事業活動費 | +10 | +1 | +3 | +4 | +3 | +7 | ▲3 | コンサルティング契約の精査等。 |
| 物流費 | +1 | 0 | 0 | 0 | +1 | +1 | 0 | 物流量の増加分。 |
| その他 | +3 | +1 | +1 | +3 | +2 | +4 | +1 | 計画に沿った推移。 |
| 合計 | +46 | +11 | +9 | +20 | +25 | +45 | ▲1 | 項目によって増減はあるも、総額では計画通り執行予定。 |
創業75周年記念配当含む、15期連続の増配へ
配当は創業75周年記念配当を含む年間58円(中間・期末各29円)とし、15期連続の増配を計画。DOEは安定水準を維持し、総還元性向は前年を上回る見通しです。株式分割(1→3)後も配当水準を維持し、株主リターン強化の姿勢を明確にしました。
1株当たり配当金とDOE(株主資本配当率)の推移 ※株式分割後
2025年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割を実施したため、分割後の配当金額を記載
21.3期、24.3期は記念配当:3.3円(分割前:10円)を実施
26.3期の中間配当金には、創業75周年記念配当:3.3円(分割前:10円)が含まれる。期末配当金は1株当たり29円の普通配当とし、年間配当金合計は58円となる予定