最新の決算のポイント Investors

2024年3月期

決算のまとめ

実需型ビジネスモデルで気候変動に対応、2期連続で過去最高売上高・利益を更新

2024年3月期は、インバウンド需要と新型コロナウイルス感染症の収束に伴う経済活動の再開に支えられ、2期連続で過去最高売上高・利益を更新しました。

事業区分別では、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」 を中心とするアウトドアウエアを日常の場面で利用する機会が増加し、ライフスタイル区分の売上高が前期比11.0%増の74,174百万円となりました。また、インバウンド需要は、東アジアから欧米や東南アジアの顧客まで拡大し、「THE NORTH FACE PURPLE LABEL」 や 「Goldwin 0」 などのファッションアイテムの販売が好調に推移しました。これがグローバルでの需要増加につながり、ファッション区分の売上高が前期比22.0%増の10,911百万円となりました。

2024年3月期 決算実績
売上高 売上総利益 営業利益 経常利益 当期純利益
実績(百万円) 126,907 67,173 23,847 32,601 24,281
対前年同期比 110.3% 111.9% 108.9% 116.1% 115.7%
期初計画比 103.2% 105.5% 115.6% 111.9%
売上高構成比 52.9% 18.8% 25.7% 19.1%
売上高
営業利益
当期純利益

2024年3月期決算の要点

3期連続 増収増益
2期連続 最高益更新
  • 「ザ・ノース・フェイス」「ゴールドウイン」の2つのブランドが牽引し、2期連続で過去最高売上高、利益を更新。売上高経常利益率は25%を上回り、利益率としても過去最高を更新
  • なかでも「ザ・ノース・フェイス」のファッションウエアは、インバウンド需要を獲得し、直営店、卸ともに実店舗における売上増加に貢献
販管費の増加分を増収効果で吸収
  • 本部機能強化を目的とした本社移転、人材補強と従業員還元を目的としたJ-ESOP(株式給付信託)の追加拠出を実施
  • 人件費等による一過性の増加分を吸収し、増益基調を維持
棚卸資産は増加するも過度なセールを抑制
  • 春夏商材の前倒し仕入れにより、2024年3月末時点での在庫残高は前年同期比125%
  • 過度なセールを抑制したことと、関東物流の安定稼働を優先させたことが主な要因

配当性向30%を実現。2025年3月期は14期連続での増配見通し

2024年3月期は、過去最高売上高・利益を更新し、また本社移転に伴う記念配当を加え、年間での1株当たり配当金を162円に決議し、中期経営計画の目標として設定した「配当性向30%以上」を実現しました。

2025年3月期においても、引き続き増配の見通しです。

24.3期は中間期配当30円、期末配当は記念配当10円を含む132円、年間配当162円、配当性向30.1%

1株当たり配当金と配当性向の推移

2025年3月期 見通し

一時的な減益を経て、再び2桁成長に

下記の表は、2025年3月期見通しの前提条件です。

一過性の費用負担と、次なる成長に向けた投資を行うことで、前期比で増収減益の見通しとなりますが、本業における「稼ぐ力」は変わらず、2026年3月期以降で再び2桁増の回復に向けて前進してまいります。


増収減益見込みも、一過性の費用45億円を除くと営業利益率17%を維持

2025年3月期の決算見通しサマリーです。

営業利益の見通しは「181億円」となり前年同期比で75.9%となりますが、J-ESOPや本社移転など一過性の費用として45億円を計上していることに起因します。2026年3月期以降についてはこの一過性費用は発生しません。なお、この一過性費用がなかった場合の営業利益は「226億円」と推計し、前年同期比では94.8%となりますが、コロナの影響によって実施を見送っていた直営店でのイベントや「ザ・ノース・フェイス」の持続的な成長を支えるためのマーケティング費用、「ゴールドウイン」の海外展開に伴う費用など、積極的な投資を行うことによるものです。

2025年3月期 決算見通し
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
(開示資料) (一過性経費を除く)
計画(百万円) 133,200 18,100 22,600 25,900 21,000
対前年同期比 105.0% 75.9% 94.8% 79.4% 86.5%
売上高構成比 13.6% 17.0% 19.4% 15.8%
売上高
営業利益
当期純利益