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2025年3月期 第3四半期

決算のまとめ

第3四半期の売上高は前年同期比102.1%の96,833百万円となり、期初計画通りに推移しました。暖冬の影響により、防寒具の販売は鈍化しましたが、12月以降気温が下がったことで販売が大幅に回復し、月次売上は過去最高を記録しました。また、インバウンド需要も堅調に推移しており、特に都市部の直営店における売上が伸長しています。販売チャネル別では、自主管理売上比率が60%と中期経営計画の目標に沿って進捗し、実店舗での販売は2桁成長を維持し、引き続き好調です。一方、EC売上も前年同期比で106.2%と順調に成長を続けています。

第3四半期決算実績
売上高 売上総利益 営業利益 経常利益 当期純利益
実績(百万円) 96,833 50,393 16,939 21,885 17,695
対前年同期比(累計) 102.1% 99.6% 88.3% 92.8% 100.7%
対前年同期比(四半期) 99.4% 96.5% 89.4% 83.1% 95.9%
売上高構成比
()は前期実績
52.0%
(53.3%)
17.5%
(20.2%)
22.6%
(24.9%)
18.3%
(18.5%)

インバウンドは、
堅調に推移

直営店でのインバウンド売上高構成比は累計で22.3%を記録しました。特に都市部では、訪日観光客の購買が顕著で、原宿や丸の内の店舗では売上が大幅に伸長しました。地域別では、中国大陸、台湾、韓国からの需要が引き続き高水準を維持しています。韓国YOUNGONE OUTDOOR Corporationが韓国国内で展開しているザ・ノース・フェイスの「KOREA COLLECTION」の日本展開も好調で、新規顧客の獲得に寄与しました。

インバウンド売上比率(直営店)

推移グラフ
ターゲット顧客層の最適化+購買プロセスの改善
課題のカテゴリ 現状におけるインバウンド対応の課題 今後の取り組み方針
ターゲット顧客層の最適化
  • 中国大陸以外(東南アジア、韓国)の観光客に対するマーケティング対応。
  • 中国大陸以外の観光客を対象とした現地言語でのプロモーションを実施。
  • 多様な観光客向けた取り組みによる売上増加。
  • 地域限定製品や「日本らしさ」を打ち出したMade in Japan製品の充実。
  • Made in Japan製品の充実。
  • 中価格帯製品やスーベニアなどのラインアップの充実。
  • 日本文化を活用したブランドの差別化、観光地店舗での売上拡大。
購買プロセスの改善
  • 店舗レイアウトや製品配置のインバウンドへの適応。
  • スノーリゾートエリアには、ダウンジャケットなどの重衣料を重点的に配置店舗滞在時間の延長、購買プロセスの円滑化。
  • 多言語対応など、インバウンドがより快適に買い物できる環境の整備。
  • 多言語対応の製品説明を提供。
  • 購買体験の向上、顧客満足度の向上。
  • 店舗外でのインバウンドとの接点の強化。
  • アウトドアイベントの実施。羽田・成田空港でのPOP-UP展開。

中国大陸での出店状況

「Goldwin500」プロジェクトに基づき、プレミアムスポーツ分野でのブランド認知度向上を図り、中国市場での展開を強化しています。2024年8月に成都、9月に上海、2025年1月に杭州と順次に出店し、現在は北京を含む4店舗体制を構築しました。新規出店した店舗の状況は、以下の通りです。

成都

開店当初は計画を下回りましたが、現在は「北京」と同水準の売上を維持しています。顧客リピート率が改善傾向にあり、今後さらなる売上拡大が期待されます。

上海

開店以来、計画を大幅に上回る売上を達成しており、特にOAMCやGoldwin 0のコラボレーション製品が高い人気を誇っています。

店舗写真
Goldwin Chengdu
店舗写真
Goldwin Shanghai

韓国の事業進捗

韓国市場において、Z世代を中心にトレンドに敏感な若年層へゴールドウインブランドのアプローチを強化するため、2024年11月に韓国初のPOP UP STOREをソウルの聖水にオープンしました。

  • ファッション感度の高い顧客層に支持され、好調に推移。
  • 開催期間中、高客単価を実現し、ターゲット層への効果的なアプローチを達成。
  • 2025年のPOP UP STOREおよび常設店舗展開に向けた検討が進捗。
店舗写真
韓国初となるPOP UP STORE

2025年3月期
通期見通し

2024年5月14日に公表した通期業績予想を維持する方針です。
第3四半期までの売上高は計画通りに推移しており、広告宣伝費をはじめとする経費執行を精査した結果、各利益は期初見通しを上回る水準となっています。
また、暖冬の影響により、秋冬製品の販売ピークが第3四半期から第4四半期に分散しています。これを踏まえて、第4四半期では、限定製品や高機能性商材を中心に、プロモーションを強化する予定です。さらに、中期経営計画の方針に基づき、次年度以降の施策を一部前倒しで実施する可能性もあります。

2025年3月期 決算見通し
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
計画(百万円) 133,200 18,100 25,900 21,000
対前年同期比 105.0% 75.9% 79.4% 86.5%
売上高構成比 13.6% 19.4% 15.8%
第3四半期までの進捗率 72.7% 93.6% 84.5% 84.3%
  1. 売上と利益の最適化
    第3四半期までの累計売上高は前年同期比で増収となり、通期見通しは据え置きにしています。一過性経費の増加が利益を圧迫するものの、営業利益率は引き続き高水準を維持しています。
  2. 在庫管理とサプライチェーン
    防寒具の販売ピークが遅れたことで在庫が増加しましたが、的確な需要予測と在庫管理により、リスクを最小限にしました。今後の需要拡大に備えた体制を継続する方針です。
  3. 販売チャネルの最適化
    直営店とお取引先店舗の連携を強化し、EC売上や新規顧客の開拓に注力しています。エリア、チャネルごとの収益性向上を目指してまいります。
  4. マーケティング施策
    SNSや多言語対応のプロモーションを展開し、国内外の顧客基盤を強化しています。特にインバウンド需要の取り込みを重視した施策が効果を発揮しています。