お客さま満足の向上 Sustainability
基本的な考え方
ゴールドウイングループでは、お客さまとの対話を基点とし、ブランド価値を最大化する店舗の運営とともに、イベントの実施、カスタマーサービスセンターやリペアセンターの運営を通じて、販売後もお客さまとの継続した信頼関係づくりを進めています。お客さまから頂戴するさまざまな声に真摯に向き合うだけでなく、まだ言葉に表れていないお気持ちにまで心を寄せて、最高の顧客体験の実現を目指しています。
推進体制
当社グループでは、開発や生産のプロセスのみならず、販売からお客さまの使用に至るすべてのプロセスにおいて、安全と品質の管理体制を構築しています。店舗運営やカスタマーサービスセンターの運営を販売本部が統括し、ECサイトはEC販売部が担当する社内体制となっています。お客さまからいただいた貴重なご意見は各事業部や商品部、品質保証部、ゴールドウイン テック・ラボをはじめとする関連部門と連携し、後の製品開発やサービスの向上に生かしています。
ブランド価値を最大化する店舗表現
当社グループでは、ブランド価値をお客さまに伝えることができる最前線は店舗だと考えています。出店する地域、お客さまの層によって、専門性の高いショップ、ファミリー層に向けたショップ、ライフスタイルショップなど、さまざまなスタイルのショップを展開しています。それは品揃えだけではなく、店舗の内装、質感、音楽、香りなど、お客さまの五感に訴え「居心地がよい」「長くここにいたい」と思わせるようなショップづくりを目指しています。
お客さまのニーズに寄り添った新たな店舗業態の開発
お客さまとの双方向コミュニケーションのさらなる向上を目指し、新たな販売業態の開発にも注力しています。昨年度は、世界遺産を拠点とするフィールドショップとして屋久島環境文化村センター内に「THE NORTH FACE 屋久島」をオープンし、アクティビティの提案やアウトドアツアー・イベントの紹介など、製品とアクティビティを通じて、屋久島の自然、歴史、文化を発信しています。また、東京都内には自然との触れ合いや身近な自然を再認識するきっかけを提供する「THE NORTH FACE/NEUTRALWORKS. 吉祥寺」や、大人も子どもも楽しめる遊びの拠点として「PLAY EARTH PARK WONDER STORE 都立明治公園」を展開しています。
これらの直営店舗を通じて、スポーツの新たな価値の探求や商品・サービスの提案を行っています。
販売スタッフ研修「セールスコンベンション」
当社グループでは、企画開発した商品の機能や用途、さらには着用場面や注意点などの情報を、直営自主管理店の店頭を通じて直接お客さまにお伝えして、新しい体験をご提案する双方向コミュニケーションに力を入れています。
年一回実施している接客ロールプレイングコンテストの「セールスコンベンション」を通じて、販売スタッフ自らの接客スキルの向上を目指しています。2023年度は全国の販売店舗から選抜された11名の販売スタッフが出場しました。
お客さまとのコミュニケーション
店舗は、お客さまにスポーツを体験する機会を提供し、その魅力を積極的に提案する場でもあります。商品を提供する場としてだけでなく、お客さまとの大切なコミュニケーションの場として、イベントやワークショップ等も開催しています。2023年度は、服や靴、ギアをメンテナンス・修理して、愛着を持って大切に使い続けることを目的とした合同リペアイベント「DO REPAIRS」に、当社からゴールドウイン(Goldwin)、ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)、ヘリーハンセン(HELLY HANSEN)の3ブランドが参加しました。2023年5月と9月に開催したイベントでは、「専門スタッフによる修理サービス」、「自身で修理やアップサイクル体験ワークショップ」、「プロのメンテナンスアドバイス」の3つをテーマに、ひとつの製品を長く大切に使い続けることを楽しむためのさまざまなコンテンツを提供し、多くの来場者とコミュニケーションしています。そのほかにも、各店舗においてリペアを含めたお客さまにご参加いただけるイベントを実施しています。
またお客さまとの双方向コミュニケーションは、店舗においてだけでなくインターネットを通じても強化しています。オンラインとオフラインの融合(OMO)を進め、店舗やウェブサイト、ECサイト、SNS、blog、メールマガジンなど、お客さまとのあらゆる接点で最適な購買体験や情報を提供しており、同じ情報を同じタイミングで提供することがお客さまの信頼につながると考えています。
さらに、新しい遊びを創造する「PLAY EARTH PARK」の開催等、体験、発見、冒険など、プラスαの付加価値をご提案しています。これらのお客さまとのコミュニケーションから得た知見は、社内にフィードバックし、常に新たな商品・サービスの開発につなげています。
お客さま相談窓口
お客さまからのお問い合わせは、ご相談内容に応じて下記3つの窓口を設置し、対応しています。応対にあたっては、お客さまからのご意見・ご要望に真摯にお答えするだけでなく、まだ言葉に表れていないお気持ちにまで心を寄せて、お客さまとの信頼関係構築に努めています。お客さまからの貴重なご意見は、社内にフィードバックし、商品やサービスの改善に繋げています。
窓口 | 概要 |
---|---|
カスタマーサービスセンター | ブランド、製品についてのお問い合わせ、ご意見・ご要望 |
Goldwin Online Storeサポート | Goldwin Online Storeに関する各種お問い合わせ |
リペアセンター | 製品修理のご相談 |
窓口 | 合計件数 | 電話件数 | メール件数 | 内容 | 件数 |
---|---|---|---|---|---|
カスタマーサービスセンター | 12,715 | 8,391 | 4,324 | お問い合わせ | 6,103 |
お叱り | 140 | ||||
ご意見・ご要望 | 1,411 | ||||
お褒め | 13 | ||||
在庫照会 | 3,433 | ||||
その他 | 1,615 | ||||
Goldwin Online Storeサポート | 23,846 | 4,270 | 19,576 | 注文関連 | 12,638 |
サイト・IDに関するお問い合わせ | 1,907 | ||||
商品入荷 | 2,360 | ||||
商品に関するお問い合わせ | 3,553 | ||||
商品クレーム申し出 | 3,388 | ||||
リペアセンター | 20,733 | 3,628 | 17,105 | 修理対応可否確認 | 8,915 |
修理申し込み方法 | 4,975 | ||||
内容・納期確認 | 6,012 | ||||
その他 | 831 |
応対品質の向上
お客さま相談窓口にお問い合わせいただいたお客さまとの通話は録音させていただき、応対者は対象通話の録音を聞いたうえで、良かった点と改善すべき点をトレーナーとともに共有し、次の電話応対に活かされます。
お客さまの声を活かす仕組み
お客さま相談窓口にいただいたお問い合わせ内容は、データ化されレポートにまとめて毎月すべての部門役職者で共有しています。また製品品質に係る問題は担当する事業部や商品部、品質保証部、ゴールドウイン テック・ラボをはじめとする関連部門にフィードバックされ、再発防止や改善に取り組む仕組みとなっています。
2023年度の主な改善事例
リペアセンターを通じた製品の改善
環境への関心の高まりなどにより、製品の使用期間は長期化する傾向にあり、「リペアセンター」への修理依頼も増加しています。2004年の時点で年間3,500件程だった依頼は、2023年度は23,743件になりました。修理をご依頼されたお客さまには、修理後にアンケートにお答えいただいています。アンケート結果は関係した従業員にフィードバックされるとともに、新製品開発や改善などに活用しています。
ECサイト「Goldwin Online Store」リニューアル
2024年2月20日にECサイトをリニューアルしました。製品を販売するだけでなく、多様なスポーツの楽しみ方を伝え、新たな体験に繋がる機会を提供するオンラインストアを目指しています。当社が展開するさまざまなブランドに触れるきっかけとなることも考慮し、ECブランドトップページから別のブランドページへの遷移を可能にし、指定したブランドからお気に入りアイテムの絞り込み検索を可能にするなど、サイト内を回遊しやすいユーザビリティを追求しています。季節に合わせた特集コンテンツ、16のアクティビティ別ページでは、特定ブランドによる提案だけではなく、ブランドを横断してよりそれぞれのシーンに適したアイテムやコーディネートを提案し、購買体験の質の向上に取り組みます。
お客さま満足の向上のための従業員教育
お客さま満足のための最初の窓口は従業員であるという認識のもと、当社ではさまざまな従業員教育を継続的に行っています。
電話応対品質研修
お客さま相談窓口では毎年、電話応対研修を行っています。10名の担当者を対象に、1名につき約40分、ランダムに抽出した通話の録音を聞いたうえで、良かった点と改善すべき点をトレーナーとともに共有し、改善しています。
ECサイト「Goldwin Online Store」におけるスタイル撮影研修
ECサイトでは、当社の店舗スタッフが製品を着用したスタイル写真「スタッフスタイル」をご覧になり、ご購入いただくお客さまが増えています。より分かりやすいスタイリング画像や動画を撮影するために研修会を実施しています。2023年度は西日本、東日本の店舗で実施し、合計80名の従業員が受講しました。2024年度は全国に規模を拡大し、180店舗の従業員が撮影研修に参加予定です。
今後の課題
多くのお客さまに当社グループのファンになっていただけるよう、お客さまとの対話を基点とした活動に注力していきます。特にお客さまとの接点である店舗、ECサイトやカスタマーサービスにおいては、お客さまの貴重なご意見を伺うとともに応対品質向上に引き続き取り組みます。ECサイトについては、リニューアル後もお客さまの声を反映しながらより使いやすくご満足いただけるサイトの構築を目指します。
また、お客さまからいただいた貴重なご意見を、品質向上のみならず今後の製品・サービスの開発に役立てていくためにも、経営層を含めた情報共有の強化に向けて社内システムの見直しを行います。