リスクマネジメント Sustainability
基本的な考え方
ゴールドウインでは、危機の発生により企業活動に多大な影響を及ぼす恐れがあるとして、リスク管理は極めて重要であると考えています。危機の発生を未然に防ぐこと、かつ危機が発生した際も当社への影響を最小限に止め早期に復旧することを目的に「リスク管理規定」を定め、さまざまなリスクに備えています。
2024年度は、現在会社として進めている「コト事業」に関してリスクの洗い出しを実施し、新たに「イベントでの死傷事故防止対策」「安心安全な運営のガイドラインの策定」などにも注力して、リスク分析と対策強化を実施しています。
リスクマネジメントに関する
トップメッセージ
変化が激しく不確実性の高い現代において、私たちはさまざまな挑戦を通じて新しい未来の実現を目指しています。この変化に伴う多様なリスクを適切に管理し、機会に変えることは、ゴールドウイングループの持続可能な成長に不可欠です。リスクを正しく把握しない場合、事業やブランドに悪影響を及ぼす可能性があります。
私たちがフィールドとしてきた自然との共生には、常に多くのリスクが存在します。リスクを理解し、地球環境に優しい選択をすることは、未来を守るための重要なステップです。
リスクマネジメントは単なる業務の一部ではなく、私たちの企業文化として根付かせるべきものです。“人を挑戦に導き、人と自然の可能性を広げる”というPurposeのもと、適切なリスク管理によって、正解のない挑戦に取り組んでいきます。
代表取締役社長CEO
渡辺 貴生
推進体制
当社は、全社的リスク管理の統括委員会としてERM委員会を設置し、常に起こりうるリスクを想定したリスク管理に努めています。また、ERM委員会の下部組織として、BCM委員会や情報セキュリティ委員会をはじめとする各種委員会を設置し、リスク管理を効果的に実行する体制を整えています。また、危機管理の情報は一元的に集中して総合的に判断することが重要であるため、管理本部総務部を危機管理の統括部署とし、平時においては総務部が防災・減災・初動対応の実務を実行する体制としています。ERM委員会は管理本部長が委員長を務め、社長を筆頭に各本部長を委員とし選任しています。BCMの運用体制、教育訓練、対策の進捗確認などを年3回開催する委員会にて共有の上、必要な対策を協議しています。
有事の際には、取締役を中心とする経営層に速やかに報告され、発生した事案への危機管理本部が設置されます。危機管理本部は、情報収集・分析を行い、対策および再発防止策を検討し、危機解決に必要な行動を役職員に指示・命令する体制を確立することとしています。
BCM(事業継続マネジメント)
地震、大型台風、噴火などの自然災害や、感染症、広域長期停電など経済活動の継続に影響を与える事象、また情報漏洩などのインシデントが発生すると、当社の企業活動にも中長期にわたって多大な影響を被る可能性があります。当社ではこうした緊急事態をあらかじめ想定し、危機発生時においても従業員とその家族の安全確保を最優先としつつも、社会と地域の安定に寄与し、事業継続による社会的責任を果たすために、2021年度よりBCP(事業継続計画)を策定し、運用しています。
BCPの策定、事前対策や教育訓練の推進、および定期的な点検・是正を平常時から行う体制として、ERM委員会の下にBCM(事業継続マネジメント)体制を構築し、分科会としてBCM委員会が平常時の運用体制を担っています。BCM事務局として管理本部総務部長が責任者となっています。BCM委員会の運営を通じて、事務局からBCM進捗状況、予防処置や是正処置のフォローアップ、教育訓練の計画と実施状況の監督を行っています。
また、RTO(目標復旧時間)として定めている業務の手順書の作成と周知や、グループ会社へのBCP展開、安否確認システムの入れ替えに取り組みました。BCP発動訓練は年2回実施しています。
基本方針
従業員の生命安全を最優先として捉えるとともに、スポーツを愛するすべての人に信頼され、期待されるスポーツアパレルメーカーであり続ける為、お客さまへの供給責任を果たし、社会的責任を遂行する。
また、社会の一員として国や地方自治体と連携を図り、従業員・家族の生活支援および地域住民の救助・救援にできる限り協力するとともに、企業価値向上を目指し、持続的な成長発展のため事業継続力強化に継続的に取り組み社会に貢献する。
目的
- 人命第一を旨として、従業員とその家族および社会の安全を最優先とする。(感染症の場合、感染防止策や感染拡大防止策などを含む)
- 地域社会の安全に貢献する。(社会・経済の混乱防止) お客さまや社会への影響を極力少なくするため、出来る限り早期に製品・サービスの提供を再開する。スポーツアパレルメーカーとしての支援活動を、製造活動、営業活動、広報活動として意識して行うことで、企業価値の維持と向上に繋げる。
- 有事の対応を決めておくことで、有事の際の権限委譲、早期対応を可能とし、企業・組織の存続と経営の維持・収益の確保を行う。
備えるべき脅威と想定リスク
大規模地震、感染症、噴火、火災、テロ攻撃などさまざまな脅威がある中で、当社として最も備えるべき脅威として優先的に大規模地震に対するリスク評価を重点に実施しています。ただし、その他の脅威についても、今後の継続的改善の中で必要に応じて検討を進めます。また、対象拠点単位にリスク状況を整理・分析し、課題や必要な事前対策を改善実施状況として、課題管理表を作成し、進捗管理を行っています。
今後の課題
全社的リスクマネジメント体制の構築に向けて、社内の各種委員会・各部門との連携を強化します。また、子会社のBCMへの取り込みを検討し、最終的にはゴールドウイングループ全体のリスクマネジメント体制の構築を目指します。さらに、具体策として教育訓練を進めるとともに、全社的防災体制の強化に向けて、社内での認識の統一や情報伝達体制を強化していきます。