健康経営 Sustainability
基本的な考え方
ゴールドウインでは、従業員の健康維持・増進が持続的な企業成長には欠かせないと考えています。従業員の心と身体の健康を守ることは、安定的な人材確保の基盤になるとともに、個人のパフォーマンスや生産性、会社へのエンゲージメントを高め、組織の活性化につながります。”スポーツを通じて、豊かで健やかな暮らしを実現する”という創業理念を大切にし、従業員が仕事以外の場でもいきいきと活動的に過ごせること、その家族も一緒に健康であることを重視し、2021年3月には「ゴールドウイングループ健康経営宣言」として表明し、経営トップの主導によりさまざまな取り組みを強化しています。
ゴールドウイングループ 健康経営宣言
ゴールドウイングループは、コーポレート・ステートメントを実現し会社と従業員が共に成長を遂げるためには、従業員の心と身体の健康が必要不可欠であると考え、全ての従業員が安心・安全に就業し健康を保持・増進するための環境づくりを、会社・健康保険組合・従業員・家族が一体となって、積極的に取り組むことを宣言します。
2021年3月
健康経営に関するトップメッセージ
私たちゴールドウインは、従業員が誇りと喜びを持って働ける企業でありたいと考えています。
その前提には、従業員と家族の心と身体の健康保持・増進があり、楽しみを感じながら仕事を続けることで新しい発想や感動が生まれるとともに、一人ひとりの個性や能力が最大限に発揮され、企業の発展や社会への貢献に繋がるという思いがあります。
私たちは、“人を挑戦に導き、人と自然の可能性をひろげる” Purposeのもと、仕事と遊びに境界を引かない暮らしを営むためにも、会社・健康保険組合・従業員・家族が一体となって、健康づくりを推進していきます。
代表取締役社長
渡辺 貴生
ゴールドウイングループ健康経営戦略マップ
ゴールドウイングループでは、経済産業省が策定した「健康投資管理会計ガイドライン」で公表されている「戦略マップ」を参考に、健康経営の推進により解決したい課題を特定し、その課題を解消するための取り組みに落とし込んでいます。
課題から取り組みまでの健康経営戦略をストーリー表現し、従業員の心とからだの健康を守り、その家族も健康であるために、さまざまな取り組みを強化しています。
従業員の業務パフォーマンスの評価と分析
当社では、健康診断やストレスチェック等を通じて従業員の業務パフォーマンスを定量的に評価・分析し、健康経営の推進に活用しています。
「プレゼンティーイズム(出勤はしているものの健康上の問題によって完全な業務パフォーマンスが出せない状況)」、「アブセンティーイズム(傷病による欠勤)」に加え、2022年度からは「ワーク・エンゲージメント(仕事へのポジティブで充実した心理状態)」も数値化しました。
これらの指標を毎年出すことで評価を分析し、継続して従業員の心とからだの健康を守る施策を行います。
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|
ワーク・エンゲージメント(点) ※1 | – | – | 2.7 | 2.7 |
プレゼンティーイズム(点) ※2 | 17.71 | 23.46 | ||
アブセンティーイズム(日) ※3 | 1.45 | 1.43 | 2.95 | 1.59 |
※2 SPQ(Single-Item Presenteeism Question 東大 1 項目版)を用いたアンケート調査
※3 傷病休暇届出件数の全従業員平均日数
推進体制
代表取締役社長を健康経営責任者、総務部総務グループ健康推進チームを事務局とする推進体制を整備しています。安全衛生委員会やゴールドウイングループ委員会(従業員代表)、ゴールドウイン健康保険組合と連携し、産業医や公認心理士とも相談しながら、さまざまな施策を実行します。また、各施策については経営会議を通して経営層へ報告しています。
具体的な取り組み
ゴールドウインでは、従業員が心身ともに健康に働ける環境づくりに向けて、グループ全社において以下の取り組みを推進しています。
産業医面談、カウンセリング
従業員一人ひとりの心の健康に寄り添うため、産業医・公認心理士による相談体制を整えています。メンタル不調の事前防止や適切なフォローを目的に面談・カウンセリング機会の拡大に取り組んでいます。これらの面談やカウンセリングにより、休職する前に就業制限をかけるなどでメンタル不調の事前防止に役立っています。また、当事者だけの問題として終わらせないよう、メンタル不調者の上長への相談体制も整備しており、2023年度からは店長職を対象としたメンタル不調に関する理解の向上を目的とした研修も行っています。
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|
産業医面談実施回数 | 291 | 357 | 394 | 366 |
カウンセラー面談実施回数 | 19 | 19 | 19 | 19 |
施策 | 利用者数 | 内容 |
---|---|---|
対面とオンラインを組み合わせたカウンセリングの全国展開 | 19名(計19回) | 従来、東京・富山・大阪で実施していた対面面談に加えて、オンライン面談を導入し、全国のグループ従業員が場所を問わずに相談できる環境を確立。 |
メンタル不調者を抱える主管者へ産業医面談を推進 | 9名(計9回) | メンタル不調を当事者だけの問題で終わらせないよう、当事者の上長への相談体制を整備。 |
復職支援プログラムの確立 | 28名 | メンタル不調者へのフォロー体制を明確化。復職後も産業医や人事部と連携しサポートを継続。 |
メンタル不調に関するリテラシー向上研修 | 200名(計1回) | 店長職を対象に、メンタル不調に対する理解を促し、職場での予防やコミュニケーション方法を産業医から学ぶ研修。 |
禁煙施策
喫煙は生活習慣病にもつながり得るものであり、受動喫煙により本人だけでなく周囲にも影響を及ぼします。ゴールドウインでは、禁煙は健康を守るための基本と考えて、禁煙を目指す従業員を全面的にサポートしており、2023年度はサポートした従業員の禁煙率が100%となりました。
また2022年4月以降は、グループ全従業員を対象に就業時間内(休憩時、出張・外出時、早出・残業時を含む)を禁煙としました。
施策 | 内容 |
---|---|
オンライン禁煙外来の設置※ | オンライン診療と禁煙補助薬で段階的に禁煙をサポート。 |
禁煙治療支援※ | 保険医療機関による禁煙治療をサポート。 |
ニコチネルパッチの無償提供※ | 保険医療機関の診療を受けずに禁煙したい方へのサポート。 |
メールマガジン配信 | 受動喫煙の問題などについて取り上げるメールマガジンをグループ全従業員に配信することで、ヘルス・リテラシーを向上。 |
ストレスチェック
従業員自身にストレスへの気づきを促し、職場改善につなげていくため、毎年グループ全従業員にストレスチェック受検を呼びかけています。ストレスチェック実施後、高ストレス者には産業医面談を受けることを指導しています。また、部門ごとの集団分析でストレスの度合い・傾向を把握し、カウンセラーと部門責任者による職場改善のための面談を行っています。
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|
ストレスチェック受検率(%) | 97.8 | 98.6 | 96.5 | 96.3 |
高ストレス保持者率(%) | 8.8 | 10.5 | 9.7 | 9.8 |
健康診断
年一回、全従業員を対象とした法定の健康診断に加え、40 歳以上の従業員には人間ドック、35~39 歳以下の従業員には生活習慣病健診を行っています。また希望者には胃カメラ(人間ドック対象)、脳ドック(48歳、54歳)、婦人科検査(子宮がん:18歳以上/乳がん:30歳以上)を実施するなど、充実したオプション検査も全額会社負担とし、健康診断に要する時間は出勤扱いとしています。
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|
健康診査受診率(%) | 100 | 100 | 100 | 100 |
精密検査受診率(%) | 28.2 | 28.3 | 26.8 | 46.7 |
特定健康診査実施率(%) | 88.9 | 88 | 90.3 | 96.7 |
特定保健指導受診率(%) | 43.9 | 45.8 | 42.5 | 46.5 |
従業員の健康促進プログラム
オンライン健康相談サービス「HELPO」
2022年度に、従業員の健康維持・増進を目的に、健康上の悩みを気軽に相談できるオンライン健康相談サービス「HELPO」を導入しました。仕事や職場環境の変化による体調変動や、日々の軽微な体調不良等、気になったことを相談するセルフケアツールとして、グループ従業員が活用しています。
2023年度実施イベント
- ウォーキングキャンペーン(年2回)
- 食事コラムの掲載(12コラム)
- 歯の健康に関する情報配信(1回)
ヨガスタジオとの法人契約
コロナ禍での働き方や生活様式の変化などにより、運動不足やストレスを抱える人が増えています。ゴールドウインでは2023年1月より、従業員の心身のリラックスや集中力・意欲向上などを目的に、ヨガスタジオと法人契約をしました。グループ従業員かつゴールドウイン健康保険組合員は法人会員として入会することができます。
運動会の開催
毎年、東京・富山の2拠点で社内運動会を開催しています。従業員とその家族が参加する大規模イベントとして熱戦が繰り広げられ、参加者にはMVP賞やハッスル賞などが授与されます。
2023年度は東京地区では約400人が参加。富山地区は新型コロナウイルス感染拡大を受け、開催を見送りましたが、今後も運動機会を増やし、社内の一体感を深める活動として継続していきます。
部活動の推奨
ゴールドウインでは、従業員のクラブ活動への参加を積極的に推奨しています。野球やサッカー、ウォーキング、釣り、マリンスポーツ、ゴルフ等、約30クラブが活動しており、延べ665名の従業員(2023年度実績・兼部を含む)がスポーツを通して部署や立場を超えたコミュニケーションの輪を広げています。また、2023年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で実施できていなかった、富山親善大会を再開しました。部活横断で100名以上の従業員が参加しました。
ゴールドウイン健康保険組合の取り組み
ゴールドウイン健康保険組合では、加入している従業員とその家族の健康維持・増進ならびに生活向上の支援を目的として、さまざまな福利厚生と保健事業を実施しています。
予防接種補助
インフルエンザの予防接種の補助を行っていますが、2023年度より、対象を予防接種法に規定する疾病にまで拡大しました。補助回数は1疾病につき年間1回です。
- インフルエンザ
- ジフテリア
- 結核・急性灰白髄炎(ポリオ)
- Hib感染症・麻しん(はしか)
- 肺炎球菌感染症
- 風しん
- ヒトパピローマウイルス感染症
- 日本脳炎
- 水痘
- 破傷風
- ロタウイルス
- 百日せき
- B型肝炎
家庭常備薬補助
家庭常備薬の割引販売斡旋品(栄養剤、衛生用品、健康食品、冷却材、絆創膏等を除く医薬品)の半額(上限5,000円)を補助しています。補助回数は年間2回です。
不妊治療費補助
2022年度から、不妊治療の自己負担分の全額を補助しています。補助回数は女性の年齢40歳未満は6回、40歳以上43歳未満は3回です。
若年層保健指導
2022年度から、健康診断時に生活習慣病健診の対象者(35~39歳)に特定保健指導を実施しています。
スポーツ施設利用補助
2022年度から、全国のスポーツ施設を利用した利用料の半額(上限3,000円)を補助しています。補助回数は年間2回です。
対象施設:
- スポーツジムプール、体育館、競技場、道場、スキー場(リフト券)、ゴルフ場、ゴルフ練習場、ボーリング場、スケート場、バッティングセンター、テニスコート、キャンプ場等のスポーツをするための施設
感染症予防対策
新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、2023年度は感染予防のために以下の施策を実施しました。
- 全従業員へのマスク配布
- 全事業所および、全店舗への手指消毒用アルコール・体温計の設置
- 全従業員への毎朝の検温徹底
- テレワーク推進
- 新型コロナウイルスワクチン職域接種の実施
- PCR受検機関の確保と早期受検徹底
- 不安払拭での抗原検査・PCR検査実施
- 飛沫防止パーテーションの設置
- 疑いのある場合の早期消毒措置
健康経営に関する社外評価・認定
ゴールドウインは、健康経営を積極的に推進する企業として、さまざまな外部機関から高い評価を受けています。
健康経営優良法人2024 ホワイト500
経済産業省による「健康経営優良法人制度」は、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。大規模法人部門では、上位法人に「ホワイト500」の冠が付加されます。
ゴールドウインは、制度が開始された2017年から通算7回、健康経営優良法人に認定されています。また、6度目となる「ホワイト500」に選ばれました。
スポーツエールカンパニー認定
スポーツ庁による「スポーツエールカンパニー」は、従業員の健康増進のためにスポーツの実施に向けた積極的な取り組みを行っている企業を認定する制度です。
ゴールドウインは、制度が開始された2017年度から7年連続で、スポーツエールカンパニーに認定されています。
東京都スポーツ推進企業認定
「東京都スポーツ推進企業認定制度」は、従業員のスポーツ活動の推進、スポーツ分野における社会活動を実施している企業を東京都が認定するものです。
ゴールドウインは、制度が開始された2015年度から9年連続で、スポーツ推進企業認定を受けています。
今後の課題
従業員のさらなる健康増進と健康経営の深化に向けて、今後も取り組みを継続、発展させていきます。各指標・データの分析を踏まえて、それぞれの施策で数値目標の設定を進め、より効果的な実施を目指します。健康リスクの高い個人に対応する「ハイリスクアプローチ」と、組織全体として健康リスクの予防に努める「ポピュレーションアプローチ」の両輪でのアプローチを重視しています。
今後強化していく取り組み
- 研修・セミナーを通した健康経営の全社への浸透
- 社員食堂メニューの健康志向化
- 健康管理アプリの新規導入
- ストレスチェックにおけるプレゼンティーズムの測定とその後の対応強化
- 喫煙率低減に向けた取り組みの強化
- 健康診断やストレスチェック結果等のデータ化
- 健康経営における従業員の満足度調査